松永も秀吉も田舎者から出世した
永松久秀の位は 従四位下 弾正少弼(だんじょうしょうひつ) / 山城守
一色藤長の位は 従五位下 式部少輔(しきぶしょうしょう)
です。
永松の方が位は上です。前回の内容で、私が「一色の方が松永を操っていた」と思ったのかです。
松永の家柄がわからないのです。所謂下剋上です。
一色の家柄は超一流で足利一門(将軍家の親戚)で、室町幕府で最高中枢を担う家柄でした。
この家柄というのは、この時代とても重要でした。
じゃ何故、松永と一色が逆転になったのか、ですよね。
松永は主君・三好長慶の命令を受けて、武力で抑えるのではなく、京都の町人や寺神社や役人たちと対等に渡り合い、
「彼らのメンツを潰さずに、三好政権に都合よく税金を納めさせる、法律を認めさせる」という超高度な交渉をしてきたからです。
三好長慶との深い絆のようなつながりがそこまでの仕事をさせたのでしょう。
ここも君主に認められる、秀吉の背景と似ています。このように下剋上を成し遂げています。
話は戻して、じゃ、松永が上なのだから、一色が「スパイをしろ」と命令できないじゃないかと思いますよね?
いえいえ、家柄を馬鹿にできない時代だったんです。
「公式の席次」は勿論、松永が上になります。しかし、「家柄」は一色の方が上だから威張れる時があったのです。
例えば、松永が「将軍に直訴したい」、あるいは「書類を届けたい時」、奥御殿の入り口で一色藤長が立ち塞がります。
一色は「将軍家は現在お忙しい。そのような不調法な書類は受け取れぬ」と、文字通り「門前払い」する特権を持っていました。それを本当にしていたかは別問題ですよ。
他にもあります。これも例え話です。
朝廷や幕府の儀式で「お辞儀の角度」「着物の色の選び方」「言葉遣い」を一つ間違えれば、京都中から「さすがは田舎者だ」と物笑いの種にされました。
一色は、松永がマナーを間違えた際に「山城守(松永)どの、そのような作法は我が幕府の流儀にはございませぬ。これだから素性の知れぬ者は……」と、
教養の高さ(文化的優位)を武器に、マウンティングすることができました。
他には、松永が大和国(奈良)を武力で征服しようとした際、そこは興福寺(一乗院)の聖域でした。
一色は「そなたが攻め込もうとしている土地は、神仏や宮家(皇族)に直結する聖なる地であるぞ。神の罰を恐れぬ不届き者め」と、
「宗教的・血統的なタブー(権威)」を盾にして、松永を心理的に脅し、非難することも可能です。
一色藤長が松永の陣所に使者として赴く際、一色自身は下座に座る身分だとしても、彼が持っているのは「関白・近衛前久様からの御命令」です。
一色は「これは近衛殿、ひいては帝(天皇)の御意向である。山城守、まさか拒むわけではあるまいな?」と、自分を通り越した巨大なバックボーン(近衛家)の威光をそのまま自分の声にして、松永に強圧的に迫ることもできたのです。
このように、マウントとるための口実は幾らでも出てきます。事実そうしていたとは言っていませんけど・・・あり得る話という事です。
一色を気に入らなければ、位が上の松永が彼を打ち首にすればいいのに、松永はしませんでした。それは、出来ない理由があったからではないかと思います。
将軍直結の一色をそんなことすれば、反逆者になりかねません。
身分というのはここまで強いものだったのです。
さて、スパイの話に戻ります。
スパイ工作の発端は近衛前久ではないでしょうか。
近衛は信長を恐れていました。天下を取るかもしれないから潰せということで、一色にスパイ工作を頼み、一色から松永へと工作依頼が行き、実行したと私は睨んでいます。
ちなみに秀吉も近衛の息がかかっていると言えます。
彼が天下を取ったのは、武力だけではありません。近衛前久がいたからです。
これも家柄が関係します。ここで、近衛は凄いことをしたんです。
秀吉を近衛の養子にしたのです。そして関白を秀吉に与え、朝廷も守る、幕府も安泰になると考えたわけです。
関白になるには、藤原道長の血が流れていることが条件なので、養子にしたんですね。摂関家の家格が条件となるからです。
秀吉は藤原の性を近衛から貰ったお陰で、藤原秀吉となり天下が取れました。これは事実です。
その後、豊臣秀吉と変えたんです。
ここからは、私の憶測です。
秀吉が天下は俺がとる、といい出したが、近衛はその手があったかとひらめいたんでしょう。
秀吉に天下を任せると言う形にすれば、公家を潰すということは出来ないだろう、だから、そのためには家柄がない秀吉では無理なので、
養子縁組をしてやり、関白にしてやった。この恩があれば、手出しできないだろうと企てたのだと思いました。
こうしたことが裏で動いていたという事を少し頭の隅に置くと、歴史がまた面白くなりますね。
ところで、この一色藤長と近衛前久の性格をどう思います?
一色藤長や近衛前久は大河ドラマの「麒麟が来る」でちょこっと出てきます。
では、一色藤長の性格をリーディングしてみます。
大股で歩いているのが見えます。長面の顔です。性格は尖っています。グサッと来ることを平気で言いそうなタイプです。
損な性格だと思います。気が短そう。スパイ向きじゃないですね。
黒幕の近衛前久をリーディングしていくと眉毛の間、目と目の間が極端に離れているように見えます。「公家が潰されたら平民になるのか?そんなこととんでもない。」といっています。
お酒が好きなのかもしれません。徳利からお酒が出ていて、そういう席を設けて手名付けていくみたいです。
慣れ親しんでいく振りをしながら、様子を伺い、情報を取ってくる。そういうタイプです。最初から信用が置けない人に見えます。
というのは、私のリーディングなので、事実ということではありませんので、あしからず。






ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません