「10年以上続く企業は10%」は嘘だった

株式会社は資本金1円で起業できると言われています。
不景気なので、「設立10年で90%以上の企業が倒産する(生存率10%未満)」という噂を聞いた人もいると思います。

実際の数字は企業の数字です。
創業から1年後の生存率は約95%
創業から5年後の生存率は約80%
創業から10年後の生存率は約70%
創業から20年後の生存率は約50%
創業から30年後の生存率は約10%(M&A総合研究所)
という事が言われています。

以下は公的データです。中小企業庁が発行する『中小企業白書』や、
東京商工リサーチ・帝国データバンクなどの公的・大手調査機関のデータの数字になります。
設立 3年後: 生存率 約88〜90%(消滅 約10〜12%)
設立 5年後: 生存率 約80〜82%(消滅 約18〜20%)
設立 10年後: 生存率 約70〜75%(消滅 約25〜30%)
設立 20年後: 生存率 約50〜55%(消滅 約45〜50%)
と上記とも同じ結果です。

「設立10年で90%以上の企業が倒産する(生存率10%未満)」とは
かなりかけ離れている結果ですが、なぜ「10年で9割倒産する」という極端な噂が広まったのか?

主に3つの理由がありました。
①個人事業主の事が含まれていた
脱サラして飲食店や美容室などを個人で開業する場合(個人事業主)、資金繰りや集客の厳しさから3年以内に約6割、5年以内に約8割が廃業すると言われていて、「個人店の廃業率」のイメージが、そのまま「会社(法人)の倒産率」という話にすり替わっていた可能性があります。

②セールストーク
ビジネススクールや起業コンサルタントなどが、「起業しても10年で9割は失敗します!だから私の講座で学びましょう」と、不安を煽って自分のサービスを買わせるための誇張表現が定着してしまった側面があります。

③一部のビジネス誌やネット記事が数値の解釈を誤る
「10年未満で9割の企業が消えている」と誤った解釈で記事を拡散してしまった歴史があったと言われています。私もしっかりと信じ切っていました。

という事で実際、法人としてならそう簡単に倒産しないと言えます。
個人事業主となれば、初め易く、辞めやすいですが、法人になると、資本金の他に、起業する時や解散する時に必要な手続きには、各数十万円ずつ必要になります。こういう事から、起業する時の覚悟が違いますね。
といいつつも実際倒産していく企業に原因があるのですが、立て直して存続する企業もあります。
2014~2023年度の負債5億円以上の倒産4,611件のうち、33.6%で倒産後も事業が存続していたとされています。
再生する力が試されていると言えます。

AI系の企業ならそういう心配はないのか?という疑問が湧いたので、リーディングしてみました。
ありますね。表面化しずらいかもしれません。
①どんぐりの背比べで似たり寄ったりのソフトなので、大手に敵わない。
②利益があまりとれない。
③進歩が速いので追いついていけない。
④人手が足りない。
等の理由がリーディングに出てきました。

簡単な回答ですみません。以上をまとめてみました。
今、必要だと感じるものを思いつくのは大抵人間です。開発しても、普通は似たり寄ったりで、すぐまた新しいものができます。AIの進歩は早いです。人手で何とかなるものではないために、その進歩に追いついていくための資金繰りが必要になります。機械を新調しなければならないコストが出てきます。スペックの問題などですね。競争相手があればあるほど、値段を高くできません。機械を使用するコストと売り上げとの釣り合いが合わなくなるようです。また最新の情報を求めていくと人の力も必要になります。その人を確保するのも至難の業なのでしょう。

こういう事などを踏まえるとAIのものだから成功すると言い切れないというのがわかりました。
ただ倒産の数字には表れていません。これはM&Aや名前を変えて新たに事業を始めるなどが関係しているのではないかと思います。結果、倒産の数字だけでは、企業や事業がどうなったのかまでは分かりません。

会社が消えることと、事業が消えることは同じではないので、倒産という一言でAI企業を括れないというのも同時にわかりました。

AI事業は成長分野であっても、企業として生き残るには別の難しさがあるようです。