メンタライゼーション

メンタライゼーションの概念が精神分析の文献に登場し始めたのは1960年代の頃、愛着理論が発端といえます。
そして、1970年代から発達心理学から心の理論という研究が始まって、1990年過ぎ頃愛着理論と心の理論の融合によって、メンタライゼーションという概念が体系化され始めました。
2000年頃に、MBTという境界性パーソナリティ障害の治療法が注目されています。

メンタライゼーションは「他人にも自分とは違う心がある」という考えから「自分や他人の心の状態を想像し、理解しようとする力」を見ていきます
例えば、
①この人は今どう感じているのだろう

②なぜこんな行動をしたのだろう

③自分はなぜ怒ったのだろう

の考えができるか?というところになります。

メンタライゼーションの中心には、
「自分の考えも間違っているかもしれない」という姿勢があります。
そして、「相手には相手の事情や感情があるかもしれない」と考えます。

メンタライゼーションが弱くなると
①相手は絶対に悪意がある

②自分の考えだけが正しい

③他の可能性はない
という思考になりやすくなります。

それは毎回ではなく、一時的な何らかのストレスが原因で、メンタライゼーションが弱くなったのかもしれません。

しかし、この思考が始まると対人トラブルや、SNSでの炎上、夫婦喧嘩、職場の人間関係の不和などが起こりやすくなります。

相手の立場に立って考えたり、他の可能性を思い浮かべたりできれば、「きっと悪意があるに違いない」と決めつけずに済んだかもしれません。

色々な人がいて、色々な言い方をして、なぜ、そういうことを言うのか、違う言い方の言葉を知らない人なのかもしれない、などという事を冷静に検証する力があれば、大きな問題にならずに済んだという事は沢山あると考えられます。

心を傷つけられたと簡単に言う人がいますが、メンタライゼーションという考え方を身に付けたら、本当に傷つけようとしていたのだろうか?別の理由があったのではないか?という疑問を持つことができたら、もっと他人に優しくそして自分にも優しくなれるのではないでしょうか。

一つの考えに固執せず、もっと違う角度から心を読み取っていきましょう。
自分の憶測が「多分そうだよ、間違いない」と言い切る人の会話に惑わされず、色々な考えがあるということを理解していきましょう。