修身

初めて聞く方も多いかと思います。修身とは、旧学制下の小学校・国民学校などで、道徳教育を行うために設けられていた教科でした。
といっても、何度か改定され、軽視されがちな教科でした。明治天皇の命令により国家教育となってから、第二次世界大戦後、GHQによって廃止になった教科の一つです。

修身とは何を学ぶべきなのかという事ですが、現代の道徳とはかなり質が違います。

小学校3年生から学ぶようになっていて、目上に対する行動や、挨拶の仕方、お茶の出し方や飲み方、座布団の出し方、座り方など、あらゆる生活に関する礼儀作法が載っています。

礼儀を知ることは恥をかかないという事に等しいと思います。こういうことを学校で教えたらいいのにと正直思います。家庭で学べるじゃないかと思うようなことばかりなのですが、親自身、知っていますか?となります。

教えてもらわなければ知らない、知ろうとしなければ、知らないまま過ごしてしまうのです。

目上の人が立って挨拶しているのに座ったまま頭を下げている人に向かって、「そんな挨拶はないでしょう?」と言ったら、「俺、習ってねーもん」と人のせいにしている人を見かけたことがあります。
社会人になったら、とことん恥をかくことになると思いました。

その場にならないと知らないという事に気が付かないことも多いと思います。

でも、幼いころから、習っていたら、自然と身に付くものだとも思います。家庭で教えきれないことは沢山あります。礼儀作法というのは学校で教えないのでしょうかね?

電車のホームで並んでいるのも、順番通り入るのも、修身には書いてあります。そのようにしましょうと。日本人は昔からそのように習っていたから、先祖もそのように子に教えており、今でもその習慣は続いているのでしょう。

その習わしを伝えれる大人に育てば修身という教科は特にいらないかもしれません。でも、それが身についていない事柄も沢山あるように思います。

タクシーの乗り方も、神社へのお参りの仕方も、席を譲ることも、親が見せてくれればわかりますが、神社へお参りに一度も言ったことが無い人の子供なら、できないのが当然です。

席を譲りましょうと書いてあっても、親が平気で座っている姿を見れば、譲らなくてもいいんだと理解していく事だと思います。座席の横に荷物を置いている人も見かけますが、やはり修身では荷物は椅子の横に置かずということも書いてあります。
小さな事柄ですが、マナーというものを知ることは、自分の行動を振り返るものではありませんか?

改めて読み進んでいくと、今とはそぐわないことも沢山ありましたが、沢山のマナーがあり、それを教えていた時代があって、今の日本人がいるんだというのがわかります。

マナーを守らないことは恥なのだという事をもっと深く理解する心でもって日本人である振舞をしていきたいですね。
偉そうに聞こえるかもしれませんが、謙虚な気持ちでありたいと思いながら書いています。

身体と心

Posted by Meatel